防音室はテクニカル・サウンドへ

テクニカル・サウンド
防音と遮音

そもそも音は伝わり方で大きく2種類に分けることができます。
空気の振動で耳に伝わる空気音と、床や壁、もしくは地面の振動から伝わる固体音です。
また一口に防音室と言っても、ターゲットとなる音の種類、音源部、受音部に対して
もっとも効果的な対策を考えなくてはなりません。

空気音にターゲットを合わせた防音対策

防音室のコスト ドアや窓、換気口などの隙間をなくし、音波を遮る 音は建物開口部等の隙間から空気の振動で伝わります。
理想は空間を密閉する事です。
壁や窓を2層化する 音は壁の厚さを2倍にするより、同じ厚さの壁と壁の間に空気層をつくる。ニ重構造がより効果的です。
床、壁、天井の部材の重量を増やす 音は部材の重量があるほど伝わりにくくなります。
より重く、より厚くすることによって効果が現れます。

固体音にターゲットを合わせた防音対策

防音室のコスト 床などに防振ゴムを使用する 音の振動を抑えるために、防振架台などの緩衝材が効果があります。
浮き床にする 床そのものを浮かせてしまい(浮床構造)、躯体からの振動面積を極力小さくする事によってかなりの効果があります。
躯体部材を変更する 軽量鉄骨より木造、木造よりコンクリート・・というように、躯体そのものの剛性と重量を高めることによって振動の影響を受けにくくします。

実際の防音対策と効果

グランドピアノの対策例

ここでは、一番需要の多い楽器(グランドピアノ)の音を外部に漏らさない工夫を紹介します。

音源の発生音を抑える ピアノテックス等の消音材を取り付ける 発生音は大幅に小さくなりますが音を殺してしまい、余りお勧め出来ません
マフラーを使用する
振動音を軽減する インシュレーターを設置する それなりの効果があります
建物開口部等の弱い部分を補強する 二重窓/防音ドアにする 建物(コンクリート住宅)の遮音性能が良ければ効果があります
固体振動音を軽減する 防振床/防振天井を設置する 効果はありますが、建物等の調査が重要です
空気伝播音/固体伝播音共に軽減する 部屋の中にに空気層を設け床・壁・天井をつくる 使用する材料や空気層により、かなりの効果が期待できます